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「あの~もういいかい?」
変態の声がまた聞こえる
「話が進まないから、続けさせてもらうよ」
勝手に喋り始めた変態
「勇者召喚に召喚された少年を好いた神の所為で、君達の命が消されかけた。まぁ、僕がちゃんと君達の魂を拾えたから良かったけど」
勇者野郎も許せないけど、その神とやらも許せない
「ちょっと一つ聞いていいか?」
蒼乃くんが変態に質問しようとしている
「天界がしでかした事だからね。大体の事はすべてこたえるよ」
蒼乃くんの質問にはすべて応えるのは当たり前だよ
「どうして俺達は此処に呼ばれたんだ?」
「僕達神はすべての生命を悪戯に弄んではダメなんだ。その神は君達の命を消そうとしたんだ。君達を拾い、君たちを違う世界に転生させる為に此処に呼んだんだ」
「転生?俺たちの記憶はどうなるんだ?」
「もちろん残したままだよ。それじゃあ転成させる意味ないからね」
「そうか、ならもうひとつ。転生先はどこなんだ?」
「地球とは別の世界、剣と魔法の世界だよ」
魔法?
そんな非科学的な事が可能なの?
「力は?」
「もちろんそれなりの力は与えるよ。勇者より強い力をね」
それなら…僕達はまだ一緒に居られる
「僕は蒼乃くんが居るならそこでもいい」
「俺も優凛が居るならいい」
「そう…なら転生させるよ。頑張ってね。勇者は殺してもOKだから」
「頑張って殺してくるよ」
「そうだな」
変態がほほ笑むと視界が真っ白に染まり、意識が闇に堕ちていった
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「最後まで変態呼ばわりだとわ」
蒼乃と優凛が転生した後、変態こと神は一人呟いた
「ルシフェル、君の子はとてもなんというか、強い子だね」
どことなく、哀愁漂う感じの神
「創世神様。よかったのですか?」
神の後ろから二対四枚の翼を生やした女性が、神、創世神に話しかけた
「どうだろうね。それは僕にも分からないや」
「…そうですか」
それ以上二人の会話はなかった
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