プロローグ。

31/31
1009人が本棚に入れています
本棚に追加
/353ページ
「どうして人間と共存しているのですか? 正体を隠してまで……」 私が質問すると社長は、ため息を吐いた。 「人間と上手く付き合って行くには、正体を隠し 同じように生活をするほうがいいからだ。 大昔と違い人間は、長く生きられないくせに 妖怪を拒み怖がり……共存を嫌ってきた。 まぁ我々の中にも狂暴な奴らが居るせいもあるが」 「そのために妖怪は生きにくい世の中になった。 しかし妖怪も普通にお腹は空くしお金もかかる。 妖怪の中には、ヴァンパイア一族みたいに 人間と共存して血を吸わないと 生きていけない者もいる。 九門寺カンパニーは、昔からそれをまとめて 保護し、生きて行くための提供する場所だ!」 妖怪と人間は、 そんな風に生きてきたなんて!? 知らなかった事実に衝撃を受けた。 会社には、そんな裏事情があったなんて……。 動揺する私に 社長は、クスッと笑った。 「他の人間もお前みたいに単純で 扱いやすい奴らばかりだったら楽でいいのに。 だが、そういう奴らばかりではない。 今、騒がれたら色々と面倒だ! 俺は、当主として妖怪……仲間を守らないとならない」 「だから他の奴らに俺らの正体を明かしてみろ。 それだけは、俺でも許さない」 その瞬間。 氷のように冷たい表情になった。 ビクッ!!
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!