遺してくれたモノ
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その日の夜。 「卵焼き、美味しかったでしょ? 」 いつもは聞かれないのに、今日はやけにしつこく聞かれた。 「いつも弁当を捨ててるから。 余計なことをしなくて良いよ」 俺はつい、口が滑ってしまった。 「そう。 余計なことをしてごめんね」 母さんは悲しそうに謝った。 次の日は弁当ではなく千円札が手渡された。
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