朱の記憶 《R18》

30/30
前へ
/51ページ
次へ
 目の前が霞んでいく。  目の前の世界が、赤から白へと色を変えていく。  空から舞い落ちる雪が、地面へと降り積むように。  この世のすべてを、真っ白へと染め上げていくように。 「――椿」  進藤が私を呼んだ。  進藤は、私へと手を伸ばす。  その手は、今度こそ私の頬に触れた。  私は、その手に自分の手を重ね、頬を擦り寄せた。                 ―END―
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

262人が本棚に入れています
本棚に追加