黄色の夢

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 私には、幼い頃に決められた婚約者がいる。  うちと同じ新華族の香坂(こうさか)家の次男で、私の四つ上。家同士の結び付きを強めるための、家の力を強くするための婚姻。当人同士の気持ちはない、親が決めた婚姻。  雅史(まさふみ)様と初めてお会いしたのは、私が六つの頃だった。  お呼ばれした雅史様の十歳の誕生日祝いの席。香坂家当主に紹介された雅史様は、小柄な体を少し大きな礼服で包んでいて、香油で後ろにぴっちり撫でつけられたテカテカした髪も、どちらかといえば可愛らしい顔付きの雅史様には不似合いだった。  だけど、私はそれにとても親しみを抱いた。  私も、レェスがふんだんにあしらわれた豪奢なドレスに着られていたから。
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