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「ダメです」
「話も聞かずにダメって酷くないですか」
「ダメなものはダメです」
「何がダメなんでしょうか」
「金髪です」
「見た目で人を判断するなんてそれこそ酷くないですか? これは生まれつき何ですよ。身体的特徴を否定するなんて、一番やっちゃダメな事じゃないですか」
(理屈っぽいなぁ、この男……。モテ男は大概理屈っぽくない筈なんだけと……面倒だな)
「ちっ」私は舌打ちを隠すつもりもなくシャットダウン作業を続けた。
「どう言おうと、私の特徴は金髪はダメな女なんです。私の特徴を否定しないでもらえますか? それに、私は食中毒なんです、早く帰らないといけないんです」
「食中毒? そんな風には見えないですけど……」
「私がそう言うからには間違いないんです! 早くそこをどいて下さい。まったく、今日は付いてない。こんなチャラい男にナンパされるは、食中毒になるは、理想の男には声をかけられないわ……」
「そう、それそれ、それを聞きたいんです。なんで、理想の男に出会ったのに、何も話さないで帰るんですか?」
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