ヒロトとヤス

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 熱い。  熱くてたまらない体を鎮めるようにヒロは服を脱ぎ捨てた。全裸になって、鏡に自分の体を映す。  少しやせ気味だ。女とは違い、柔らかさはあまりない。けれど乳首は薄い色で、体毛もあまり生えていない。綺麗な体だと自分では思う。けれど。  ヒロは無言で自分の体に手を這わせた。大きくもかさついてもいない。これじゃないと思い知らされる。  触ってほしい人に本当の気持ちを言えないから、ヒロは一人だ。  今日はついに、戯れでも触れてくれなくなった。  それが苦しいくせに、硬い体を知ったヒロの中心はすぐに兆して熱を帯びる。熱い。 「ヤスとセックスしたい……二人でぐちゃぐちゃになりたい……」  素直になれたらどれだけいいだろう。ヒロはねとついた液体を零す先端に親指を乗せた。  潮が出るまで擦ってくれた力強い指を思いながら、何度も手をこね回す。  冷えた身体を追い上げる熱。汗と液体がフローリングにぽたぽたと音を立てて落ちていく。 「んっ……」  快感で目元に涙が滲んだ。ヒロはその滴をはらうように瞬きを繰り返した。
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