柴田 和弥 の友情

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『殆どお前のもんだって皆思ってるけどさ、早く付き合ってくれよ。誰かのもんだっていうだけで違って見えるだろ?』  無茶言ってくれるよ…  まるでサッサとくっついちまえ、みてえな…  ありえない。  ありえなさすぎる…  俺とミツルが思いあうだなんて……  どう考えてみても何度も何度もこっ酷く拒絶される未来しか想像できない。  最近じゃ3日に1回は悪夢で目が覚める。  怖いに決まってるだろう。嫌われたくないに決まってる。    でも、親友だと思われているだけで幸せなのに、  どうしても今のままでは終われないと思ってしまう。  現実的に考えれば、有り得ない未来に焦がれてしまう…  例えば玉砕前提で憧れの先輩に告白する乙女のように?  ダメもとで告白して、こっ酷くフラれても…その先の生活には何ら支障が無い…  という訳にも、俺の場合はいかない。  ミツルは…親友なのだ。親友と思ってくれている。  席は隣だし昼は一緒に飯を食らう、たまにはぷらぷらと遊びに行く、  修学旅行だってずっと一緒で、死ぬほど緊張したりウキドキしすぎて、  数え切れない血溜まりを作ったりしたが…  下らないことで笑い合える仲なのだ。  この関係は壊したくない…  それなのに、このままでは堪らない…
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