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柴田 和弥 の恋
「ねーねアンタ。名前は?」
初めて教室に入ったその日。
適当に座るよう言われて何気なく座った一番後ろの席。
落ち着きなくざわつく教室の中、
俺の席の隣に座りながら何者かがそう言った。
俺への言葉なのか?っと思い声の主を見る。
超美形。
非の打ち所がないイケメンが俺を見ていた。
カッコイイ!そしてほのかに香るカワイイ!
女っぽいんじゃない、
そう間違いなく男なのだが、
…形のイイ目に…まつ毛に…眉毛に…
鼻に…くっ…唇にっ…
俺は…思いっきり見とれた。
見る者を劣等感に苛まらせる神々しい程の後光が射していた。
眩しい輝きに目が絡む。
あまり後光が輝くから髪が明るく見えるのかと見間違えたが、
髪は普通に明るい栗色だった。
私立校なのにどうすんだそれ、
ただでさえ王子のオーラで目立ってるのに!
流石。ここまでのレベルともなると、
目立たないようにコソコソと生き延びようなどとは考えないものなのか!
俺はと言えば、可も無く不可も無いようなモブでしかない。
まあもうちょっと言うとただ人よりチョッピリ背が高いって位で…
いつも周りの人間からの評価は
『柴田ってさっぱりしたかんじだよな』とか、
『和弥は身長は高い方なのに存在感がない』
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