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まったく思いが実る気配も無くって可哀想な柴田』ということで、
なんだかんだと暖かく見守られているワケなのである。
「男子校に誤ちは付きものだが…柴田…お前の場合。入学早々だもんな…そういう手の奴には被害者が数多く出ちゃうもんだが、お前程に可哀想な奴はそう居ないかな」
「先生…馬鹿にしないで下さい…俺真剣に悩んでるんですよ」
「すまんすまん…ま、それも青春。先輩方も大倉をお前に託して卒業したんだ。頑張れよー」
冗談のような会話。
「何がんばりゃいいんすか…」
「…まぁ…あのバカは…どうにもならんだろうな…頑張れよー!いろいろ、頑張れー!」
ははははは
と、ワザトらしく笑いながら立ち去る化学教師。
しかし、彼は影の組織『ミツル王子様を見守る会』の幹部であったりするのだ…。
…こんな学園生活を日々過ごす俺…。
異常なのは十分理解しているし、
どうにかしたいのは山々なのだが、
俺にしてみればどうにもならない日常なわけで…
激しく悩みながらも、
何か行動をして、ミツルの傍に居られなくなるなんて、絶対に嫌だと思いながら、
でも
果たしてそのままの親友ポジションで良いのかと、考えては
正解も不正解もなく延々と行ったり来たりを繰り返していた。
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