大倉 光 の野望

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大倉 光 の野望

「光。お前進路どうすんだ?」    俺の部屋でCDを漁ってた兄貴が、突然喋りだす。  久しぶりに実家に帰ってきたと思ったら兄貴風を吹かせてきやがった。    マンガ読んでた俺は半ば上の空で返事する。 「うーん…俺あんまし頭よくねーしー」 「…まぁな…んーやりたいことねーのかよ」  やりたいことねぇ…  あんましないねぇ。  強いて言えば、和弥とヤリたいなぁ。  …ププ…なんちゃって。 「俺の目標は高校入ってからずっと、和弥をじっくり落とすことだからー」  と、兄貴のCD漁る手が止まった。  片思いの彼おっかけてストーカーもビックリな8年越しの片思いを実らせた  執念の男が俺の発言に暫し無言となる。 「……ふんふん…ま…そろそろ告白してもいいいんじゃね?  …お前とお前の麗しの君と学力同じくらいだし、  同じ大学行くの決めるにもそろそろ告白しないと間に合わないんじゃ?」 「そうなー同じ3流大学に進学して、3流会社でラヴラヴ。ふふふ何かいいかも」 「んや俺はお前くらいは結婚してほしいけどな」 「うん俺和弥と結婚するからお祝いしてね」 「付き合ってもないのに即答かよ、お前の脳内は幸せだな」 「付き合ってないけど、あえて付き合ってないだけー。実際はもう付き合ってるようなもんなの」 「はー…そりゃお前の脳内では、だろ?」 「いーえ事実でーす」  そう!いかに色んな人から残念残念と言われている俺の頭でだって、  和弥が俺のことが好きっていうことくらい当然、分かってるし。  でも折角好きなのを必死に隠そうとしてくれてる健気で可愛い和弥を鑑賞できるんだから、   いつだって付き合うのなんかできるんだから、出来るだけ楽みたいじゃん?  だって最高だよ?  俺に興奮する和弥の我慢してる姿。あのすらっとしたモデル体型のイケメンが  小動物みたいに震えて恥じらう…あーやべー!!  俺に気付かれてないとか思ってるわけよ、なんて健気でバカなんだ。  可愛い和弥。  「兄貴、早く帰って」  「は?何で」  「和弥思い出したら興奮してきた、すぐ帰って」  「弟が変態で兄ちゃん悲しい」   なんだかんだ言う兄貴を追い出し、俺は和弥を想ってベッドに飛び込んだ。
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