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────が、旅人はすぐに正気を取り戻して再度おばあさんの顎を掴み、口を抉じ開けました。
「オラッ!大人しくしちょれや!」
「触るなー!汚い手でババに触るんじゃねー!!」
負けじとおばあさんは全力で手足をばたつかせ、口を抉じ開ける指を歯のない口で噛み付いてきます。
「じっとしちょれや!」
ガボォッ!
旅人の傷だらけになった指が漸くおばあさんの口の中に入りました。
「ばぶぁー!ばぶぶぁー!」
「オラッ、はよ吐き出せ!」
旅人は噛まれながらも指を奥へ奥へと押しやります。
すると当然……
「オ"エ"ッ!……ブォエエェェッ!!」
「ぎゃあっ!キタネー!!」
おばあさんはせめてもの悪あがきとして、旅人が吐瀉物が逆流しないように横向かせていた顔を渾身の力で旅人に向け、大量の吐瀉物を浴びせました。
そして、ある程度の量を吐き出したおばあさんは若い娘へと姿を変えておりました。
「くっさ!」
「クセー!!」
見た目こそ若い娘となったおばあさんですが、旅人同様、自身の吐瀉物まみれで美しさより強烈な異臭に包まれています。
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