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「勘弁してくださいよ、町田さん。俺にだって、選ぶ権利くらいありますよ」
町田さんは、青果部の主任だ。
俺が所属しているグロサリー部の主任である黒川より、よっぽど話の分かる人で、俺はそれを時たま恨めしく思う。
「うーん?
でも、ほら、レジ部の仲村ちゃん? 彼女ともラブラブなわけだし。
年嵩のお姉さん方(パートのおばちゃん達のことだ)にも、ラブコールおくられてるしさー」
四十前だというのに町田さんの頭は、すっかり『波平さん』状態だ。
店内の照明を受けたその頭を見下ろし、俺はへらへら笑った。
「それなんスけどねー」
「────桜井くん」
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