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軽い咳払いとともに、気取った声が、俺と町田さんの会話をさえぎる。 ……黒川だ。 「あのさ、5番レジ前のエンドのゼリー、ズレているんだよね。 もっとこう、さ。美しく並べてよね、う・つ・く・し・く。お客様からの見栄えが悪いでしょ、あれじゃ」 「あ、はい。すぐに直します」 うるせーなと思いながらも、俺はへらへら笑って答えた。 それから、町田さんに軽く頭を下げると、向こうも目配せをして自分の持ち場へと戻って行く。 黒川は、それを見送って、ふうっ……と、おおげさに溜息をついた。 ふたたび、俺を見て念を押す。 「それじゃ、エンド、ちゃんと直しといてよ?」
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