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黒川の手前、俺は問題のレジ前のエンドを、一応チェックしに行った。
「仲村ちゃん、辞めるんだってよ」
と、雑貨担当の小泉さんに声をかけられた。
非難じみた目で、こちらを見ている。
俺に、その原因があるかのように。
「ここより良い就職先見つけたって言ってたけど……」
仲村ちゃんというのは、ホワイトデーの翌日に俺をフッてくれた、俺の元カノだ。
彼女──仲村静と小泉さんは仲が良く、俺を合わせた三人で、よく飲みに行ったものだ。
何を隠そう、俺と彼女が付き合うきっかけになったのも、その席上のことだった。
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