きっかけ

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アイツは ほーーーっ と大きな息をしてから、 「喋っても?」 照れくさそうに笑った。 「ああ、どうぞ」 「俺さあ失恋したばっかで、  仲間が気を使って彼女紹介しようと  今回企画してくれたらしいんだけどさ、  なんツーか、  それって違わねーって思って逃げたんだ。 俺確かに彼女と別れたけど、別に新しい彼女が欲しいとか今思ってないし、 誰でもいいとかじゃないしさ」 「はあ……でも、お友達心配してませんか?」 「そうかな、あーあのさ、その、巻き込んで悪かった。  泣かれるとは思わなかった。  そ、そう、あれだよ、  ちゃんと正直に話をして断るよ」 照れ臭そうに頭をかきかき、そう言った彼の表情がおかしくて、思わず笑ってしまった。
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