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「余命は、もって3週間ですかね。」
ある日告げられた真実の前に立っていたのは、孤独な僕だけだった。
そこまで驚きもせず、
「あぁ、そうですか。」
と、落ち着き払って納得してる僕には医者もびっくりしていた。
僕はというと、別に生きてても無駄なだけだし、そこまで悲しいとかっていうのはなかった。
ただ、買っている猫をどうするかにのみとても迷っていた。
「ご両親にはこちらから伝えましょうか?」
最近の医者の気遣いはここまでいくのか。
1人で納得していると医者が心配そうな顔をしていたので、答えておいた。
「別にいいです。葬儀にすらきませんよ」
高校生、という年齢の餓鬼がいうには、少し辛辣だったかもしれない。
「そうですか。ではまた、1週間後に来てくださいね。それではまた。風波くん。」
医者の笑顔に僕も作り笑いで答えながら、病院をあとにする。
「どうしようかな。3週間。」
僕にとっての問題は、先ほどの猫と、僕からしてありあまっている期間の使い方だ。
「何を...しようかな。」
その日はいつも通り家に帰り、レトルト食品を自炊して食べ、寝た。
いつもと何も変わらなかった。
「この子はいらない。」
「私だっていらないわ!あなたがひきとってよ!」
僕を間においての喧嘩は、耐えることはなかった。
優秀な弟も、どちらが引き取るかでとえももめていた。
僕はどちらでもよかった。
でも弟は毎回僕に言っていた。
「お兄ちゃん。もし僕達が離れ離れになっちゃったら、どっちかがどっちかをまた探そうね!そうやって見つけていこう!」
いつまでも前向きな弟が俺はただ羨ましかった。
人に愛されている弟を、本当は妬ましく思っていたんじゃないだろうか。
この悪い夢は何度目だろうか。
昔の事なんて、早く忘れたい。
喉の乾きを覚え、誰もいない家の1階へと降り、空っぽに等しい冷蔵庫を開け、水を飲む。
「あー。今日は、何があったっけ?」
月曜日の朝、普通の人は遅刻をしないように焦っている時間帯だろう。
「午後からでいっか。」
2階から降りてきた猫と共に、遅めの朝食を食べる。
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