龍成の憂鬱

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「外面だけはいいからな」 「親父に似たんだろ」 「麻友、明日の予定は?」 「おい、シカトか?」 「明日は来客が一件、あとは経済誌の取材くらいですわ」 「それなら早く終われるだろう。我慢しろ、龍成。明日は早めに帰してやる」 「お、言ったからな。絶対だぞ。こっちで予定入れちまうからな」 「勝手にしろ」 よし、明日……。 どうすっかな。あの馬鹿女だよな、問題は。 電話しても出やしねぇし、頭いてぇ…。 久しぶりに飲みにでも連れてくか。って、あいつとまともに飲んだことなかったな、そういえば。 とりあえずメッセージ送って…… ……あ、そうだ。 俺はあることを閃き、家に着くと自分の部屋に向かいながら電話を掛けだした。 「……くそ、出ろよ」 部屋に入りベッドになだれ込む。 うつ伏せになり、奏が電話に出るのを待つ。
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