華乃の憂鬱

2/8
前へ
/472ページ
次へ
「な、なにこの500って」 「なにって、披露宴の招待客の人数」 「……わたし、やっぱり結婚しない」 「はあ?!」 「わたしには無理!したいなら一人でして!」 「あほか!どうやって一人で結婚できんだよ!」 「どうにかできるでしょ!」 「こらばかの、お前小学生より常識知らないのか?」 「黙れ、勝手にしてくれ」 「ふざけんな、おい!」 「お待たせ致しました。神田様、さく…──っ、も、申し訳ありません!お怪我は…」 「すみません、失礼します」 「華乃っ!」 「お、お客様!」 龍成とウエディングプランナーさんの声など耳に入らず、わたしは結婚式場内にある打ち合わせ室から足早に退室した。
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

972人が本棚に入れています
本棚に追加