第1話-No3600の島ザハ。

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ここは最悪な島ザハ。 島を二つに割るように大きな川が流れていて、島の中央付近一帯には枯れた大樹が何本もそびえ立つ大きな森がある。 街灯などは一切なく、夜になると月明かりで数メートル先がぼんやりと見える程度の暗闇が広がっていた。 ザハには5つの村があるが、建物はレンガと木材でできていて、崩れかけていたりガラスが割れていて廃墟のような建物が並んでいた。 住人達は夜になると、物取りや犯罪者達から身を守る為に灯りを消して隠れるよるに生活している。 政府の人間も一応いるのだが、こんな見捨てれた島に配属される奴がまともに仕事をする訳がない。 そんなゴーストタウンのような島でも良いところもある。 大昔から発展した様子がなく、空気が凄く綺麗でクラウジーで最も沢山の星が綺麗に見える。 今日は一段と星が綺麗な夜だ。 夜になると何が起きてもおかしくない島にも、たった一件だけ酒場がある。 ぼろぼろで所々から光が外に漏れている木造の小さな建物にビールの絵が書かれた看板がぶら下がっている。 ドアを開けようとするが、建物が歪んでいて開けるにはコツがいるようだ。 店の中に入ると、床が腐っていて歩く度にキシキシと音がなり、今にも床が抜けそうだ。 壁には沢山の切り傷や血と思われる染みがある。 電気が通っていなく、いくつかランプがぶら下がっていて少しだけ薄暗く感じる。 4人掛けのテーブル席が2つあり、女1人男2人が楽しそうに飲んでいる。 カウンターには椅子が5つあり、少年が1人でご飯を食べている。 カウンターの奥には厨房があるようだ。
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