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ジィは恐怖で体が動かない。
黒い生物はゆっくりとジィの方に顔を向けた。
ジィ「ヤバい・・・。」
黒い生物はゆっくりと近づいてくる。
ジィの足はガクガクと震えている。
10mまで近づいた時、ジィは必死に恐怖に耐えながら右の手のひらを黒い生物に向た。
ジィ「ハァハァハァ・・グッ。」
思いっきり手のひらに力を入れた。
ゴォォォーーー
手のひらに大きな竜巻が生まれた。
それを見た黒い生物は霧のように消えていった。
ジィ「ハァハァ・・・逃げたのか?」
急いで森の出口に向かった。
森を出たジィは安心して力が抜けたのか、倒れこんだ。
ジィ「あれはなんだったんだ・・・あんなの見たことないぞ・・・。」
昼前に森に入ったはずなのに、もう太陽が傾き始めている。
ジィ「こんなに時間たってたのかよ。そろそろ帰るか。」
ジィは立ち上がりホバーに乗った。
・・・・・。
ジィ「あれ?」
・・・・・。
ホバーが浮き上がらない。
ジィ「なんでだよ?勘弁してくれよ。」
なんど試してもホバーはピクリとも動かない。
どうやら風を操る力は体力や精神力とは別のもので、その力には限界があるようだ、ジィはまだ自分の限界値が把握できていなかった。
本人もその事に薄々と気づいていた。
ジィ「限界か・・・。体は疲れてないから歩いて帰るか。」
ホバーを背負い歩きはじめた。
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