マスターがコーヒーを淹れるまで

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「店長。あそこのテーブルに、メロンソーダと、ミルクココアお願いします」 「んー。ミルクココア作ってくれるか?」 「わかりました」 彼女がカウンターの中に入り、ココアを作り出した。 注文をしたのは、あの例のテーブル。 喫茶店で…しかもコーヒーの種類が豊富なこの店でこの選択は、なんとなく癪だった。 私はすぐにメロンソーダを入れてアイスを乗せた。 アイスのおかげで泡が増える前に、缶詰のさくらんぼを乗せ、ウエイトレスに頼んで持って行かせた。 さあさあ。コーヒーに戻ろう。 コーヒー豆を挽き、ペーパーフィルターとドリッパーを取り出した。 サーバーの上のドリッパーとペーパーフィルターをセットすると、ゆっくりとお湯を入れる。 香ばしい匂いが喫茶店に、さっきよりも一層いい香りが漂った。 温めたカップの中から、もうかなり温度が下がったお湯を捨て、コーヒーを入れた。 目の前の常連にコーヒーを渡すと、私はまたあの二人に目をやった。
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