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「危ねえだろ…先輩」
「レイジ君…」
ちょっと離れた彼は、少し恥ずかしがりながら、彼女の顔を見た。
「先輩にカッコつけようとして、こんな勝手なことしてすみません。
もう…先輩の邪魔はしないんで」
「レイジ君!!」
どこかへ走り出した彼に、今度は彼女が手を掴んだ。
「そんな理由で無理しないでよ…
これ以上やったら…あんた、どこに飛ばされるかわかんないわよ」
「すみません…今度から気をつけます」
そして、彼女は彼の頬を手で挟んで、無理やり顔を見るようにした。
「今度から、私が見えるところでカッコつけなさい。
そして …私のこと…」
そして、彼女は初めてほおを赤らめ、ニヤリと笑った。
「カナコ先輩って呼びなさい」
「…はい」
二人とも目をそらしあいながらも、ふいに目が合うと彼らは小さく笑った。
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