真夏の校庭

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YouTubeに投稿しようって集まった 中学最後の夏休み だけど、何を撮るかも決まらずに みんなのやる気もまったくなくて 校庭でバスケをしたり 追いかけっこをしたり まとまりなく過ごしていた 俺はそんな姿を何となくスマホで撮影してた すると、そのスマホに向かって 一発ギャグの流れになって なぜが、告白をする流れになった 相手の名前は明かさず 一応、マジなつもりでの告白 誰に向けて言っているのかわかる奴もいれば 見当のつかない奴もいた その一人が君だった 君は真夏の日差しに汗を輝かせて 束になった前髪を揺らして 俺のスマホに向かって告白した 「ずっと言えなかったけど、好きだよ」 君は言い終わると 恥ずかしがって舌を出して 悪戯に睨んだ姿が 俺の心を射抜いていた 次の撮影は俺の番 俺のスマホを君が受け取って 俺はスマホ越しの君を思って告白した 「ずっと気づいてなかったけど、好きだ」 俺はスマホを見ずに、君を見て 君と目が合って そらせば、想いがバレる気がして見続けた 先にそらしたのは君だった それがどんな意味があるのかわからなかった
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