迷子のタッくん

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  *** ***  眠っていたのだろうか?  ふと目を覚ますと、ダンボールの様な地面の上で赤い何かに囲まれていた。 『何処だ、ここは? 何だこの巨大な赤い物体は……ん? ……トマト?』  次の瞬間に言葉を失う。  何故なら、僕はトマトになっていた。 (『転生』より転記) *** *** ―――は? いきなりトマト? 宇宙も心で言葉を失っていた。そして、一気にこのトマトの冒険(?)いや、疾走(?)を目で追いかけることに。 *** ***  美味しいトマトは水に沈むと聞いた事があるが、僕は海にプカプカと浮いていた。 『糖度が低いのか? いや、そんな事を言ってる場合じゃない』  漫画の様な手足をバタバタさせるが、一向に岸へと近づかない。 『どうしよう?』  途方に暮れていると、海中から恐ろしい影が迫る。 『……ん? ……タコ!?』  気づいた時にはタコの足に捕まっていた。  脱出できない。  DEAD OR DEAD。 (『転生』より転記) *** *** タッくんのエッセイの表紙画にもなった有名なシーン。 ―――(DEAD)…それとも《OR》…(DEAD)……。究極の二択…(爆) 運命と戦うトマトのけなげな疾走に引き込まれ、宇宙はますます物語にのめり込んでいった。 *** ***  そして奇跡が起こった…… (『転生』より転記) *** ***
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