悲痛な叫び

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 リースも正気を取り戻し登ること15分、漸く頂上まで登りついた。 「ん?おかしいな?確かにここに気配の主が居た筈なんだがな」  ラスティーが頂上で周囲を確認していると――――― 「『邪炎』」  ラスティーは危険を察知して直ぐ近くに居たフランを抱き抱え後方に跳んだ。 「えっ!ちょっとラスティーまたっ――――」  着地と同時についさっきまで二人の居た場所は黒い炎に呑まれた。 「あ、ありがとう‥‥私てっきりまた貴方がおかしくなっちゃったのかと思ったわ」 「いや説明してる暇はなかったからな」 「‥‥助けてくれたのは分かったわ、それでラスティー‥‥」 「ん?」 「いつまで抱き抱えてるのかしら?結構際どい所に手が触れてるのだけど‥‥」  フランは頬を僅かに朱に染めてラスティーに言葉をかけた。その言葉にラスティーは自身の手が、フランのお腹より上、胸よりやや下という際どいラインに手を当てている事に気付いた。 「済まん!そんなつもりじゃっ!」  ラスティーはサッとフランから手を離した。フランは助けられた手前、文句は言わなかったが少し複雑そうな顔をしていた。
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