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僕が茫然と見上げていると、そこでアルの顔が近づいてくる。
綺麗な顔だなと僕が見とれている間に、僕はアルに唇を重ねられる。
柔らかくて温かいその感触に僕の胸が高鳴る。
こうしていられるだけで幸せなと僕が思っていると、そこで唇を割って舌が侵入してくる。
「んんっ!」
何これ、何が起こっているんだと僕は思って僕は逃げようとするけれど、気付けば顎が掴まれていて逃げられない。
入り込んできた舌が僕の舌を絡め取る。
そのアルの熱い舌から逃げようとしたけれど、巧みに動くに気付けば翻弄されてしまい、思う存分アルには口腔を犯されてしまう。
唾液の絡まる卑猥な音も耳をふさぎたくて堪らないのに、舌が絡められるだけで僕は抵抗できなくなってしまう。
僕の体に完全に力が入らなくなってぐったりしていた所で、アルが唇を放した。
舌と舌の間に唾液が糸を引いていくのが見える。
そこでアルの顔が僕の良くに落ちていき、ぺろりと僕の耳が舐められる。
びくっと震える僕だけれど、今度は僕の耳朶を甘噛する。
「や、やめてよ……」
「なんだ、ユキは耳が感じるのか? ほら」
そこで耳を舐められて、ひゃっと高い声が僕の口からこぼれる。
けれどそんなのもおかまいなしにアルは僕の耳を舐めてそれから首筋にキスをする。
触れられた場所が酷く熱くて、胸の鼓動が速くなる。
ただ触れられているだけで、体がおかしいくらいに敏感になっていく。
そんな僕に気付いたのかアルが小さく笑う。
「感じているな。やはり想像したユキよりもずっといい。実物はこんなにも可愛いし」
「そんなに……僕に触れたかったの?」
恐る恐る聞いてみると、アルはそうだと頷く。
それを聞いてしまえば、僕も止めてなんて言えなくなってしまう。
アルがそれを望んでいて、そしてそれならば僕も覚悟を決めようと思って、
「分かった、僕も、アルとしたい。初めてだから優しくしてね」
「……どうしてこう、ユキはこういう時まで可愛い事をいうんだ。誘っているのか?」
「べ、別にそういうわけではないけれど、アルとするなら良いかなって僕が思えたから」
「……優しくするよ」
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