彼 side

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「吉岡、昨日……。看護師って話、ありがとう。親に言ったら良いんじゃないかって。来週それで担任とも話進めてみる。一応お礼」 何だよ。スッキリしたみたいに晴れた顔で笑いやがって腹が立つ。 あの後帰ってからもずっとモヤモヤしていた人の気も知らずに。 「あっそう、良かったな」 冷たく言い放つ。 「うん、まあ受かるか分かんないけどね。でも目標決まったら頑張れそうな気がするから」 「……勉強、一緒にするか?」 これでも入学以来学年トップを維持し続けている。 自分の勉強ついでに彼女のも見てやる自信はある。 「や、良いよ。そこまでしてもらわなくても。吉岡ってお医者さんになるんでしょ?邪魔になるから」 ……。
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