彼 side

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「そうだよな?そこはちゃんと聞いてたんだ」 「ヘ?」 「俺は医者になりたいんだよな?」 だんだん昨日の苛立ちが蘇る。 「う、ん……。そう言ってたじゃん」 「で、その隣で、って俺なんて言った?」 「……えっと、私が看護師として働いていたらって、言ってた……けど」 彼女が困った様に答える。 「そうだよな?言ったよな?それを夢抱いてって言わなかったか?」 「……言ってた、様な……」 その困り顔はまるでうちの犬、アルとおんなじだ。 駄目だこいつ。 ちっとも分かってない。 鈍感とかそう言う次元じゃない。
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