彼女 side

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「ぁ……」 斜め後ろから声が聞こえて振り返ると、クラス委員の吉岡だった。 私は慌てて顔を背ける。 嫌な奴と会っちゃった。 彼の事はどうも苦手だ。 分かってる、どうせ嫉妬や妬みの類だ。 完璧すぎて、住む世界が違う。 頭が良くて誰からも信頼されてて、クラスも上手くまとめる。 きっと彼は将来の夢とかって既にきちんと決まっていて、その為にしなくてはいけない努力も理解した上で迷いなく取り組んでいるんだろうな。羨ましい……。 頬杖を膝に付きながら川面をただじっと見つめる。 初夏の太陽に反射してキラキラと輝く。 まるでそれは彼の人生の象徴のよう。 私はきっとあの見本林の木々の重なる暗い影の湿った土。 晴天の真昼でも薄暗いあの林の、ひんやりとした空気の下で重なる腐った落ち葉の更に下にある土だ。 私にピッタリ。 ははは、自分で言って後で傷つく。
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