彼女 side

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再び川面に目をやる。 「今日はあったかくて気持ち良いな。……来週三者面談だな。なあ、小山田はもう進路決めたのか?」 黒ラブを撫でながら吉岡が聞いてくる。 「……別に」 その目が黒ラブと同じ目をして私を見詰めるから何とも居心地が悪い。 別に良いじゃん。 学校の誰からも好かれてるんだから、私一人くらい苦手に思っても痛くも痒くも無いだろうから放っておいて欲しい。 「そっか、まだ悩み中かぁ」 その言葉に過敏に反応する私。 まるでまだ決められないのかとバカにされたような、そんな気分。 こっちだって考えてないわけじゃない。 でも……。 弟が二人いる。 まだ就きたい仕事は決まってないけどとりあえず大学に、なんて気軽に言えない程度の家計だ。 悔しくて涙が滲む。 ほんともう放っておいてよ。
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