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「小山田ってさあ、看護師に向いてんじゃねえ?」
「……」
「俺のお袋も姉貴も看護師なんだけどさ、小山田って結構ガッツあるじゃん。ああいうのって根性ないとやってけないしさ、それにお前面倒見良いだろ?成績だってそれほど悪くない。絶対に合うと思うな」
看護師……なんて考えてもみなかった。
……看護師、かぁ。
心が少しだけ揺れたのが自分でも分かった。
「もしお前が本気で目指すなら、さ。姉貴に勉強法聞いてやるし、何なら……俺が、勉強……その、教えてやっても良いし」
委員長も大変だな。
クラスメイトの進路の心配までするのか。
「……真面目だね。みんなの進路相談までしてたら、自分の勉強する時間無くない?」
嘲るように嫌味な笑みが漏れる。
ああ嫌だ。
彼は多分、この無垢な黒ラブと同じくらい綺麗な心なのだろう。
それを思い知らされる。
だから、早くどっかに行ってよ。
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