彼女 side

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「……誰がクラス全員の心配なんてするかよ」 いじける様な彼の声に思わずはっとして耳を傾ける。 「最近ずっとお前落ち込んでたみたいだから気になったんだって。俺が医者になって、その隣でお前が看護師として一緒に働いていたらとかそんな夢抱いたって良いだろ?」 吐き捨てる様に彼が言う。 「ごめん……」 その怒った表情に、素直に謝罪の言葉が漏れ出た。 その後互いが黙り合う。 暫くの沈黙。 先に口を開いたのは彼の方。 「おい、ごめんってそれどれに対するだよ?」 ……どれ? 怒らせたみたいだから取り敢えず謝っただけなんだけど。 そう言ったらまた怒るのだろうか。 「えっと……意地悪な言い方して?」 まるで犬が怒られた時みたいに私も彼の様子を伺う。 別に嫌われても、構わないんだけれど。
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