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「一宮隊長はA級第2部隊『一宮隊』の隊長で、弱冠15歳の若さで隊長になった天才なんです。彼の任務成功率はほぼ100%って言われてて、他の隊員や役員達からの信頼もすっごく厚い人なんですよ。まさにUDOの顔!一宮隊長に憧れて、入隊を志望してる人も結構いるんです。最近の話では、一宮隊長をS級隊員に昇格するとかって噂が流れてますけどね!更に一宮隊長は拳銃での戦闘がピカイチでですね───」
「わ、分かった分かった!とりあえず、あの一宮って人がすごいのは十分に分かったよ」
「ほんとですか?まだ一宮す隊長の魅力を3分の1も話してませんけど・・・」
雪雄は一宮の魅力を伝えることに満足してないのか不満な顔をしてもじもじしている。
だがここで景が雪雄を静止しなければ、雪雄はこのまま延々と一宮隊長の魅力を語に語り尽くしてしまうと思われるので、ここで景が話を区切ったのは正解である。
「雪雄、やけに一宮って人のことに詳しいんだな・・・?」
「え・・・あっ・・・それはですねぇ・・・」
「・・・・・・?」
せ
雪雄は照れ隠しなのかそっぽを向いて頬を赤らめている。
「実は、僕も一宮隊長に憧れてこのUDOに入隊しようと思った一人なんです。一宮隊長の銃撃戦を見て、すごくカッコいいって思って!僕も一宮隊長みたいになれたらいいなぁって・・・簡単なことでは無いんですけどねあははっ」
「へぇ・・・みんながあの人に憧れてるのか・・・」
『───今日は皆さんにとって素敵な一日になることを願い、これから成長していくであろう皆さんの姿をこの目で見られることを、私は誇りに思っています』
景は新入隊員に向かって凛々しい顔で歓迎スピーチをしている一宮のことをじっとみつめていた。
──────────
一宮のスピーチが終わり、それからは正隊員達や役員による新入隊員への催し物が数多く行われた。
スピーチはもちろん、漫才であったりバンドであったりムービーであったり・・・入隊式はまるで高校の文化祭の様な雰囲気で盛大に盛り上がった。
景と雪雄もそれを見て2人で笑ったり、感動したり、周りと盛り上がったり、思う存分楽しんでいた。
初めての経験ばかりの景は、人と一緒に何かに対して盛り上がるということがこんなにも楽しいことなんだということに気づかされたのである。
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