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先輩隊員達の催し物を見終え、興奮や愉快な余韻を残しつつも、いよいよ新入隊員の入隊式は最後の大詰めを迎える。
『───ではでは、いよいよ最後のプログラムとなりました。新入隊員代表による挨拶、及び決意表明です。第104期新入隊員代表・・・琴吹綾芽さん!』
「はい」
綴の声に反応し、壇上の目の前に座っていた女性が立ち上がる。そしてそのまま壇上へと階段をゆっくり上がっていく。
黒い肩まで伸びた髪にキリッとした目、他の新入隊員の様に私服ではなくUDOのC級隊員の証である白い隊服を身に着けていた。
琴吹は壇上へと上がり、マイクの前で目を閉じる。
『・・・・・・ふぅ』
一呼吸し、息を整える。同時に琴吹を襲う緊張感が会場全体へと伝わっていく・・・
『───今日、総勢352名の新入隊員がこのUDOの一員となります。不死者という不条理な脅威に襲われるこのような時代に、 先輩方と共に戦えることを心より嬉しく思います』
緊張に苛まれながらも、言葉を詰まらせることなく新入隊員の前で話す琴吹。
その姿に他の新入隊員達は真剣に聞き入っている様子。
『これからは、先輩方のご指導のもと1つずつ多くのことを学び、少しでも早くUDOの隊員として戦力になれるよう尽くしていきたいと思っております。未熟な新入隊員達ではありますが、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。第104期新入隊員代表、琴吹綾芽』
琴吹はそう言い終えるとマイクの横に立ち一礼。
それから、会場内全体が拍手で包まれまれた。
『琴吹さんありがとうございました!最後になりますが、これにて第104期UDO入隊式を閉会致します。司会は私、B級隊員の綴カンナがお送り致しました』
綴の挨拶に対して、新入隊員達は精一杯の拍手で応える。
そして彼女の閉会の挨拶により、104回目のUDO入隊式は大盛況によって幕を閉じることとなった。
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