プロローグ 「悲劇」

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───10日後 【 ここで最新のニュースです。 人間と不死者の融合実験、いわゆる「血の悪魔事件」から早くも10日が経ち、保護された被害者7名は警察官、医師達の元、厳重な監視下に置かれ続けており、一切の面会を拒絶されております。 死亡した被害者1名は、被害者の家族の了承を得て司法解剖を進めております。 この司法解剖により、人間から不死者になるまでの過程や伝達条件、不死者になったその後の人間の体構造の変化を明らかに出来ると、医師学会は述べています。 今後の情報に注目です。 また、先ほど医師学会は隔離されている7名の被害者の通称を今回の事件になぞらえて「悪の遺産(レガシィ)」と発表しましたようです。 今後はこの「悪の遺産」を対象とした様々な研究を行い、不死者対策に一層の熱を注いでいくつもりだと答えをいただきました。 私達も、UDOのみに頼るだけではなく、自分の身は自分で守っていく心構えを身につけていかなければいけませんね。 最新のニュースは以上です。 次です。 UDOが今後の不死者対策として──── 】 プツン─── 「『悪の遺産』・・・か・・・」 テレビの電源を切り、真っ黒な画面を見つめながら、白髪の少年は呟く。 「・・・・・・・・・狂ってるよ」 少年は窓から映る青い空を見ながら、真っ白で退屈そうな部屋でそう口にした。
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