完璧男子に類なし The last decision

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―Seto Side― ・・・頭が痛い。 ベッドの上で、俺は痛みと戦っていた。 あんなに飲むんじゃなかった、って言いたいところだけど、 実はどれだけ飲んだのか、記憶にない。 橘に別れを告げて、そのまま外に出て、バスに乗って。 だけどあまりの苦しさに耐え切れなくて、途中下車した。 そして、近くにあったバーに直行した。 それから家に帰って橘に押し倒されるまでの記憶は、 靄がかかっていた。 橘は僕が買ったであろうビールにもつっこんでいたけど、 そもそもビールを買った記憶がない。 いっぱい飲んだはずなのに。 飲んで橘のこと・・・忘れようと思ったのに。 そんなことを考えていると、 携帯電話が鳴り出した。 相手は橘だ。 「もしもし」 『瀬戸?電話した?』 「あ、うん。今大丈夫?」 『休み時間だから平気だ。つーか、大丈夫だから電話してんだけど。なした?』 「あ・・・」 ふと、さっき考えていたことを思い出す。 橘がOKするかわからないけど、 言うだけ言ってみよう、と思ってかけた電話。 だけど橘が電話に出なくて、 残念だったけど、少しだけ安心した。 ・・・言っても、いいかな。 『え、何?忘れたのか?』     
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