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「君は私をイカせられないよ」
やっと震えを押さえつけて挑むように言った。
「それどころか私でイクこともできないさ」
それで終わりなら深手を負わず済むと思えばいい。
安原に一目惚れした時点で深手といえば深手だが、うまくいかないで終わるだろうことの終いを、綺麗にまとめようと覚悟を決めた。
ショックを受けるだろう彼を慰めて終わるのはそう悪いことじゃないだろう。
急に覚悟を決めた金田に戸惑いを隠せない安原は、悲しげに瞬きすると金田の頭を鷲掴みにしてぐいっを引き寄せて、噛みつくようにキスをしてきた。
5日ぶりの安原のキス。
5日ぶりの肌。
拒みながらも焦がれていた。砂漠が水を吸うように喜びが広がってくる。
金田は目を閉じて安原に身を委ねた。
安原は金田のシャツのボタンを全て外し、ベルトを外すと下着ごと一気にズボンを下げ、脚を抜かせながらソファーに追い込んだ。
はだけさせられた紺色のシャツと黒靴下というあられもない姿で、ソファーに足を乗せ、脚をM字にして座らされた。
そそり立った金田のピンクがかった肉棒を見下ろしながら、安原はシャツを脱ぎ、ズボンのポケットからゴムを二袋とりだして、それから自分のズボンと下着を下げた。
金田と同じくらいに太くなったそれは腹を打つばかりに元気で、金田のそれよりいくらか黒く見える。
安原はゴムの封を切って金田につけ、自分にも着けた。
金田は手を伸ばして鞄からローションを取り出して安原に渡した。
安原は受け取ったが、開封せずに金田の乳首に顔をよせ甘く噛んだ。
「ぅん…」
びくりと身体を揺らしたが逃げることなくされるままになって、安原の指、唇、舌の感触に全神経を向けた。
これだけでも十分幸せだと思う自分がいる。
安原くらいの頃の金田は裸で抱き合って、擦り合わせるだけで満足していた。
いくら吐き出しても止まらない年頃だったが、手だけでイケる敏感さもあった。
あの頃のようにこのまま手だけでイカせて欲しい。しかし、思いとは裏腹に、身体はそれだけではもう満足しない。
待ちきれなくなって安原の腰に脚を絡めて、自分の後ろを安原の下生えに擦り付けた。
ざらりと硬い毛が穴をくすぐりむずむずする。
「あっ」
唾液をつけただけの安原の長い指が、後ろに触れるなり浸入してきて、思わず声が零れた。
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