最後の日のはずだった

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い、いいって言うに決まってるよ...! そんなこと言ってる場合じゃない...。 と、考え事してたら慎ちゃんに押し倒されてしまった。 「昨日、俺達相性良かったみたいだし? 付き合うって言うまで犯した方が良いかもな?」 「うわ、強姦魔、変態。」 「良いじゃねーか、恋人になろうぜ。 今後お互いが暇な時ヤリたい放題だし、今までとそう変わらねぇよ。」 「...」 どうしよう...兄さんならどう答えるのかな? 迷っていると、慎ちゃんが突然目の前から居なくなり、上体が浮いた。 兄さんが僕を起こしてくれたらしい。 「真剣な告白じゃないし、オレは反対だよ。 金輪際、遙に触れないで。」 「...えっでもっ...」 僕は慎ちゃんに触られたい。 また胸の痛みが酷くなる。 「彰人、いい加減にしろ。 これは俺と遙の問題なんだ、口出しするな。」 「...確かにそうだね、遙の判断に任せるよ。」 「だってよ、ほら、どうする? 俺と付き合うか?」 「ぼ...オレは...」 ええ...兄さんほんとマイペース...。 兄さん、なんて答えたら正解なの...? で、でも、僕の判断でいいんだよね...? 僕は、恋人になりたい...。 兄さんは告白されたらどうOKするかな...。 考えろ、考えろぉ...! !!そうだ! 「慎ちゃんは仕方ないね。 折れてあげるよ。」 「折れる折れないの話じゃねーぞ?」 「いいの!はいはい、付き合えばいいんでしょ~」 「雑だなぁ...」 兄さんの“いつもの言葉”。 やっぱり僕じゃなくて、兄さんのコピーの僕がいいんだ。 「遙もそう言ってるし、良かったね~。 ...。」 「彰人、分かったろ。 ...邪魔すんな。」 「嫌になったら帰るから安心して。」 「分かった、待ってるからね。」 そう言った兄さんは帰っていった。 突如重みと温もりを感じ、首を回すと慎ちゃんが僕を抱き締めていた。 「...なぁ遙...キスしたい。」 「急過ぎない?」 そのまま顎を固定され、唇を重ねようと顔が近づいてくる。 「1つお願いがあるんだけどいい? ...キスするとき、いいって言うまで目を閉じて。」 「...仕方ねぇな。」 目を閉じた慎ちゃんが唇を押し付けてくる。 ...兄さんがキスしているところなんて見たことない僕は、どんな顔をしていいのか分からない。 だから見られなければ安心だと思ったんだ。 少し震えているように感じるのはのは僕が震えているなのかな? 唇が離れ、慎ちゃんは「いい」を待っている。
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