第一章 都からの使者(1)

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 木々を丁寧に育てる農夫夫妻がマリアに気付くと、「これはお嬢様、おはようございますっ」と帽子を脱いで深々と頭を垂れる。 「おはよう、二人とも。作物の生育はどう?」  夫のほうが嬉しそうに目を細める。 「天候も良く、育ちは順調でございます」 「今年も良く実ることを祈っているわ」 「ありがとうございます」  夫婦に見送られ、マリアは馬を進める。  
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