序章 戦火の古城

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 ポラリスは兵士に首根っこを掴まれ、無理矢理顔を(うつむ)かせられる。 「やめよっ、やめよぉっ……」  ポラリスはわめき続ける。  ジクムントは剣を高々とかかげると、迷い無く振り下ろす。 「――――ッ……」  わめき声がぶつっと途切れれば、血を撒き散らしながら皺首がごろごろと足下を転がる。  ポラリスの顔は恐怖に引き()り、(みじ)めだった。  鮮血がジクムントの象牙色の鎧に数滴飛び散る。  ジクムントは血払いをした剣を(さや)に収めるとヨハンに告げる。 「逆賊の首を王都で(さら)せ」
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