序章 戦火の古城

7/7
前へ
/302ページ
次へ
 ポラリスは兵士に首根っこを掴まれ、無理矢理顔を(うつむ)かせられる。 「やめよっ、やめよぉっ……」  ポラリスはわめき続ける。  ジクムントは剣を高々とかかげると、迷い無く振り下ろす。 「――――ッ……」  わめき声がぶつっと途切れれば、血を撒き散らしながら皺首がごろごろと足下を転がる。  ポラリスの顔は恐怖に引き()り、(みじ)めだった。  鮮血がジクムントの象牙色の鎧に数滴飛び散る。  ジクムントは血払いをした剣を(さや)に収めるとヨハンに告げる。 「逆賊の首を王都で(さら)せ」
/302ページ

最初のコメントを投稿しよう!

655人が本棚に入れています
本棚に追加