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「今の所、騎士団以外では男同士の結婚は認められていないわ。養子も考えたのだけれど、どうにも幼すぎて。子育てはしたくないのよね」
「そんな完成品を欲しがるような事を言わないように。相手は人間なのだから。俺なら育てる楽しみもあると思うけれどね」
「無理よ。あんた飽きっぽいから。どう、やってみない?」
母のごり押しに、ランバートは考えてしまった。
この国の騎士団はその発言権と武力において他国とは比べようもない力を持っている。序列は厳しいが、陰湿だという話は聞かない。部署も多くあり、所属すると専門分野に特化した職務となる。
主な部署は、対外国や内乱時に力を発揮する騎兵府。
城の警備や陛下の護衛を主とする近衛府。
諜報、要人警護を主とする暗府。
大きな戦や軍事的対外国との交渉の指揮を執る宰相府がある。
その他にも隊をサポートする為に、医療府、調理府などがある。これらは主だった四府をサポートし、日々の生活を支えてくれる。
そしてこの騎士団では、女人禁制の法があるかわりに、唯一男同士の婚姻が許されている。男同士の友情や親愛の末の愛というのが、こういう場では多いらしい。
以上が、ランバートの知る騎士団の情報。そして、母の言わんとしていることは大いに理解した。
「ランバート」
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