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「先輩」という響きに、ラウルの頬がほんのりと赤くなる。照れているのだろうとランバートは察し、笑みを浮かべる。
可愛いと言ったら、流石に怒るだろうか。
「えっと、先輩はやめてください。僕、そんなキャラじゃないし、なんか恥ずかしいし。普通に、ラウルでいいです」
「それでは、俺の事もランバートと。ついでに、敬語も必要ない。同室なんだから、もっとラフにしよう。俺もそうするから」
笑顔だけで人を奴隷にできると言われた甘いマスクで笑い、ランバートは彼の様子をつぶさに観察する。
小柄なラウルは恥ずかしいのか、もじもじしながら小さく頷いた。
「じゃあ、この部屋のこと教えるね。ベッドは、そっち側が空いているから自由に使ってね。クローゼットはその隣、中に制服とかも入ってるよ。テーブルセットと本棚は共同なんだ。本棚の中にティーセットもあるから、自由に使ってね」
「分かった。まずは着替えるよ。この服は気に入っているけれど、流石に肩が凝る」
「あっ、分かる。でも、ランバートは似合ってるね。僕は全然だった。身長も足りなくて、手直しが大変だったんだ」
なんて言って笑うラウルに微笑みかけ、ランバートはクローゼットを開ける。中には普段の業務できる制服が三セット下がっている。
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