歓迎会

1/2
1097人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ

歓迎会

 結局その場は夕食を押し込んで離れたランバートだったが、「来なければ迎えに行く。逃げようなどと考えるでないぞ」というシウスの招待状つきで帰ってきた。  歓迎会なのだから制服も脱いで私服で来いとの仰せに甘え、ランバートは実家から持ってきた私服に着替えた。  同じく招かれているラウルも、短いズボンに簡素な服という楽な格好に着替えていた。 「ラウル、俺はお前に聞きたい事が山ほどできた」 「え?」  白いドレスシャツの胸元を開け、細身のトラウザーズにベルトを通しながらランバートは睨むように言う。  そこに悪意はないつもりだが、ラウルは純粋に声の低さに怯えたようだった。 「あの人達と、どういう知り合いなんだ」 「あの…えっとね、それは、その…」  問い詰める言葉にラウルは真っ赤になって下を向き、もじもじする。  着替えを八割がた終えたランバートは、肉食獣が迫るようにしなやかに距離を詰めると、ベッドに腰を下ろしたままのラウルのすぐ傍まできた。  その迫力に思わず体を捩ったラウルは、図らずもベッドに倒れ込む。まるで押し倒したような構図は、妙な生々しさがあった。 「さぁ、言ってしまいなさい。ラウル、いい子だから」 「僕の口からは、あの…」  可愛い瞳に涙を浮かべるラウルは、怯えながらも誠実に答えようとする。その心のありようは真っ白なものだ。  だから、これ以上ランバートは問い詰める事をせずに体を離した。  こんな真っ白なものをどうこうしようとは思わない。それに、大事なルームメイトだ。 「まぁ、あの人達に聞けば済む話だし、いいけれど。まったく、入団早々に悪目立ちするなんて、こんな予定ではなかったんだけれど」 「ランバートなら遅かれ早かれ、あの人達の目に留まったよ」  体が離れて安心したのか、ラウルは途端に安堵の表情を浮かべて苦笑してみせる。  それをもう一度睨みながらも、ランバートは溜息をついて部屋を出る事にした。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!