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「今のままフェードアウトしたら、桂木さんに化けて出られそうだからな」
「だったら、差し入れは結構ですよ。ご飯なら作りますから」
「本当か?」
「そんなに食いつかれても困りますけど、作るのはそんな手間ではないので……」
いつも差し入れしてくれた品に一、二品簡単なものを追加して作るのだが、睦生はいつもぺろっと平らげてしまう。あまりにおいしそうに食べるので、つい柊も手がはかどってしまう。
今日も、あの無骨な睦生がどんな顔をして買ったか想像がつかないくらい、おしゃれな紙袋に入ったサンドイッチとチーズの詰め合わせを持ってきてくれた。柊はそれに合わせて、ニンジンのポタージュと豆のサラダを作った。
夜勤明けの体はきっと疲れているだろうから、栄養がありながらも胃にやさしそうなものを意識して作るようにしている。きっと自分ひとりだったら、こんなに考えて食事を作ることはまずない。だから、睦生が無理やりにでも来てくれてご飯を食べていくのは、柊にとっても健全な生活を送るにあたっていい状況だった。
「本当に、いつもうまいものを作るな。感心する」
「そういってくださるのはうれしいですけど……こんなにうちに通い詰めて、大丈夫ですか?」
「えっ……?」
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