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夢の口十え方
「叶えるという漢字は、口が十と書くじゃろ?
10種類の口を集めてくるのじゃ。
集めてこれたら、お前さんの夢を叶えてやろう。」
老婆が言った。
青年はこれなら自分でもできる!
と思い、すぐさまに屠殺も行っている、スーパーに向かった。
鳥、豚、牛、イカ、マグロ、イワシ、サンマ。
捨てられる口の部分だけ上手いこと貰えた。
スーパーを出たあと、路上で死んでいたコオロギとバッタとカマキリを拾い上げた。
「よし、これで10個揃った!」
青年は活気に溢れた声をあげた。
夢が叶えられることが嬉しく、口が入ったカバンの重さも忘れて駆け足で老婆の元に向かった。
「揃いました!」
「僕の夢は、、、、」
青年が夢を語ろうとした時、老婆が
「哺乳類が足りない。最後は人間の口じゃ。」
彼がその後一生喋る事はなかった。
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