真実の夜*

13/17
前へ
/158ページ
次へ
「あ、ああ、……うっ」 「こんな華奢な身体で……俺のモンがおさまるのか、ええ? 隼珠よ」  顔を向けると、迅鷹がまた唇をあわせてくる。舌で口内を舐られて、音を立てて舌先を吸われて、そうしながら迅鷹は、隼珠の中で何かを探すように指を動かした。 「――あっ」  ビクリと身体が魚のように跳ねる。奥で痛みに近い快感が(ほとばし)った。 「せめて気だけはやる。何度でもな」 「あ、あ、ああっ、な、なに」  迅鷹の肩に爪をたてて、それを散らそうとするけれど、無骨な指は構わずに、そこばかりを狙ってもんでくる。 「は、はっ。あ、ああっ……た、たか、さ」  ピリピリとした感触が、愉悦を押しあげる。あっという間に制御不能に(おちい)っていく。 「あ、や、どしよ、も、もう、俺――」  双珠の奥からせり上がってくるものを堪えることができない。隼珠は足をひらいたまま、反り返った茎の先端から、自分の腹に薄い白濁を重吹かせた。 「ああっ――……は、はあっ……」  触れられてもいないのに、達してしまった。  先端からだらだらと雫があふれてくる。自分の身体が自分のものでなくなったみたいだった。迅鷹が俯いて、隼珠の放った雫を見おろす。月明りで、いつもより多い体液がゆっくりとたれていくのが分かった。 「精もでちまったか」 迅鷹は白い精を三本の指でたどった。すくうようにして指先を濡らし、それでまた奥の秘めた場所を暴きはじめる。今度は指を増やして、孔を緩めるように出し入れしだした。暗い森に、ぬかるみを叩くようなみだりがわしい音が響く。自分の身体がたてる音に、隼珠は居たたまれなさを感じた。 「……ん、んふぅっ」  声をこらえようとすると、耳にかじりつかれる。歯でやわく刺激されて首筋にぞくぞくと寒気が走った。こんなやるせない感覚は経験がない。苦しくて死にそうだった。 「鷹さん……、も、もぅ、俺、また……」  隼珠のものは硬さを取り戻し、ゆるく弧を描いて勃ちあがっている。濡れそぼり誘うように揺れている。隼珠の無心に、迅鷹が唸り声をあげた。 「まだ早いか。けど、もう、俺も待てん」  迅鷹が指を抜き、自分の着物の裾をまくりあげて紺股引の紐をほどく。性急な手つきでそれをおろすと、きつく上向きに張った下帯があらわれた。隼珠が上気した目で見る前で、迅鷹は下帯を無造作にずらした。
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

371人が本棚に入れています
本棚に追加