125人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「これ俺特製の燻製器」
そう言って取り出したのは古ぼけたフライパン。
蓋は百均のボウルに取っ手を付けたと言って自慢する彼。
何だか子どもみたい。
チーズに卵、ああ帆立も美味しそう。
へぇえ、ナッツも。
……え?魚肉ソーセージ?
まっマヨネーズも!?
考えが表情に出てしまったか。
ニヤニヤしながら彼が「出来てからのお楽しみ」と言いながらチップの塊に火を点けた。
ご飯は愛用の土鍋で炊く。
待つ間に少しだけワインをご馳走になる。
「んっ、美味しぃ!美味しいです、これ」
「だろ?俺ここ長いからさ。地元のおっちゃんとかとも仲良くなって、そしたらこれ貰ったんだ」
彼の人柄だろうか。
見るからに怪しい人だけど、きっと誰とでも仲良くなれるのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!