瞬く星の下で君と。

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「あ、ご馳走になったから、食器とか私洗いますね」 その場から逃げるように先ほど使った鍋や皿を抱えて水場まで向かった。 戻ると彼はハンモックに揺られながらパソコンを弄ってる。 「あ、これここで良いですか?」 本当はちゃんとしまう所があるのだろうけれどさすがにテントの中に入るわけにもいかず先ほどのテーブルの上に置く。 「あ、ああ。サンキュー」 そう言いながらも目はパソコンから離れない。 えっと、私はやはりこの場合邪魔だろう。 「朝ごはんご馳走様でした。じゃあ私そろそろ帰り支度するので……」 「ん?ああ、そうだな。またなんかあったら遠慮無く声掛けろよ」 ちらりとこちらを見た彼の表情が少し硬いと思った。 「ありがとうございます。じゃあ失礼します」 ぺこりと軽く一礼すると私はテントに向かった。 少しずつ使わないものから片付け始める。 本当はお昼も食べてから帰ろうかと思っていたけど、どうしよう。 何だか彼に突き放されたみたいで、楽しかった心が急にしぼみ始めた。
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