瞬く星の下で君と。

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SNSを辿って行き着いた一枚の写真に目が奪われる。 満天の星空。 その下に一つのテント。 それを浮かび上がらせる焚き火の焔。 小学生の頃を思い出す。 夏休み明けにみんなが口々に言っていた。 キャンプが一番楽しかった思い出だと。 それを私は毎年羨ましく聞いているだけだった。 私の両親は共にインドアな人達だったから、キャンプなんてものをこの歳まで経験したことがない。 だから、小さい頃からの私の夢だった。 社会人になった今でも、羨ましいと心のどこかでずっと思って生きてきた。 三十路を前に決意する。 今年こそはキャンプデビュー! 決心させたのは、溜まりに溜まった会社でのくだらない人間関係のストレス。それをキャンプという自然環境に包まれながら少しでも発散させたい。 ぎすぎすの私の心を癒す何かがそこに待っているはず。 夢を叶えたきゃ、行動あるのみ。 今年の夏、私は予てからの夢を叶えるために準備を始めた。
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